» 2020 » 5月のブログ記事

私が担当している「新入生セミナー」という1年生向けの授業では,毎年,自己紹介タイムを設けている。しかしながら,今年は対面での自己紹介ができないので,Zoomによる自己紹介タイムを設けることにした。そこで使用したのが,Zoomの「ブレークアウトセッション」の機能。これについて簡単に紹介したい。

まず,設定でブレークアウトセッションをONにしておく必要がある。そうすると,メインウインドウの下に「ブレークアウトセッション」というボタンが現れる。

このボタンをクリックすると,セッションの割り当て画面が表示される。

ここで,セッション数を選んで「セッションの作成」をクリックする。なお,セッション数を変えると,セッションあたりの参加者数も変化するので,こらを見ながらセッション数を決めると良い。また,Tipsとして,学生が遅れて参加したことを考えて,セッション数は少し多めに作っておくと良い。ブレークアウトセッションを開始してしまうと,後からセッションの追加はできないようだ(2020-05-10現在)。セッションを作成すると,次の画面が表示される。

参加者は,ランダムに割り当てられるようだ。事前に割り当てておくこともできるが,事前割当については,あとで説明する。セッションルームの名称を変えたり削除する場合は,ルーム名の上にマウスポインタを合わせると良い。

また,メンバーの移動や交換(赤枠参照),セッションルームの追加(下のボタン)もこの画面からできる。

「すべてのセッションの開始」をクリックする前に,まだやることがある。それは,オプションの確認だ。時間を決めてブレークアウトセッションを実施する場合は,時間設定をすると良い。私は以下のように全てのオプションにチェックを入れている。

あとは,「すべてのセッションを開始」をクリックするとブレークアウトセッションが始まる。ブレークアウトセッションが始まると,ホスト役は一人だけ取り残される。これが結構さみしい。ブレークアウトセション中は,「全員宛のメッセージを送信」ボタンからメッセージが送れる。

時間が来ると,先ほど設定した「カウントダウンタイマー」の秒数の猶予が与えられた上で,ブレークアウトセッションが終了する。

授業などでは,ブレークアウトルームの割り当てをあらかじめ決めておきたい時がある。そのような場合は,ミーティングをスケジューリングする際に,事前割当が可能である。ミーティングをスケジューリングする画面で,「ブレークアウトルーム事前割り当て」をチェックする。そうすると,CSVファイルからのインポートなどが可能になる。ただし,事前割当を行う場合は,参加者のZoomのアカウントが必要になるので注意が必要。

なお,このオプションが現れない場合は,Zoomの設定で「スケジューリング時にホストが参加者をブレークアウトルームに割り当てる事を許可する」がチェックされていない可能性がある。

ブレークアウトルームはZoomの無料アカウントでも利用できる。実際にこの機能を使って学生に自己紹介をやってもらったが,評判は良いようだ。是非,お試し頂きたい。

ArduinoとMATLAB/Simulinkを接続して,実験をしながら制御系設計を勉強することを目指して本書を書いたのだが,早いもので8年が経過した。当時のMATLAB/SimulinkのバージョンであるR2012aからArduinoなどのボードを標準でサポートするようになったというのが執筆のきっかけであった。

現在,MATLAB/SimulinkのバージョンはR2020aなので,この本に基づいて実験を進める場合注意が必要。Amazonのレビューを見ると,新しいMATLABのバージョンでは動かない,との指摘が見られるが,私のサポートページに書いてある方法でArduinoIOをインストールすれば,最新のR2020aでも動作するはず。実際,2020年4月に研究室に配属された4年生(6名)に,この本をStay Homeで実験してもらっているが,全員問題無く動いているとのこと。さらに,その中の1名はMacを使っているが,Macでも問題無く動作しているようだ。

ただし,Macの場合は,シリアルポートの名称が,WindowsのようにCOM1などではなく「/dev/tty.usbmodem1234」のようになるので注意。Arduinoと接続されているシリアルポートの名称はArduinoIDEで調べられるはず。

さて,新しいMALTAB/Simulinkの場合のインストールの詳細は

「ArduinoとMATLABで制御系設計をはじめよう!」について

の中の「ArduinoIOのインストール方法(2019-01-13)」を参照して欲しい。こからリンクされているPDFファイルに詳細をまとめてある。ここにも置いておこう。

また,モータ制御マン(@motorcontrolman)さんの以下の記事もお勧め。

Matlab/SimulinkとArduino連携の隠しメニュー「Arduino IO」

なお,ArduinoIOのインストールしてもエラーが出て動かない場合の典型的な原因は,MALTAB/Simulinkに最初からインストールされているarduino.mとのバッティング。これを避けるためにArduinoIOのパスを先頭に持ってくることがポイント。なお,第8章はArduinoIOを使っていないため,MALTAB/Simulinkのバージョンに大きく依存することから,最近のバージョンでは本書の内容と大きく異なるのでご容赦願いたい。

ついでながら,書籍のファイルは出版社のページ

https://books.techshare.co.jp/index.php?msg=8

からダウンロードできるのだが,ここにも落とし穴が。本書籍の「ArduinoとMATLABで制御系設計モデルファイル」をクリックしてもユーザ登録をしていないと何も表示されない。まず,ユーザ登録し,ログインした状態でこのリンクをクリックする必要がある。注意する点としては,最近のMATLAB/Simulinkのバージョンでは,以前とScopeの仕様が変わってしまったので,多少の修正が必要だろう。早く改訂版をださねば,と思う今日この頃である。

自宅の光回線のIPv6化

| 日常 |

自宅では,NTT東日本のフレッツ光をPPPoEを使ってIPv4で接続するという典型的な接続方法によって利用していた。PPPoE方式では,パケットがプロバイダに設置されたネットワーク終端装置(NTE)を通るため,アクセスが集中するとどうしても回線速度が落ちてしまう。当初,so-netを利用していたが,夜間だと1Mbpsを切るような状況に陥っていた。

フレッツでは,光回線とプロバイダは別契約なので,プロバイダだけ乗り換えることができる。Interlinkでは,PPPoE接続に必要なIDとパスワードをWebから即時発行してくれて,2ヶ月の無料期間もあったので,試して見ることにした。当時は,まだInternlinkがそんなに知られていなかったせいか,それなりの速度が出ることがわかったので,乗り換えることにした。これが,2018年の6月のことである。

ところが,最近,Interlinkの回線も遅くなってしまった。さすがに1Mbpsを切ることは無いが,数Mbpsになることが増えてしまった。そこで,IPv6への乗り換えを検討したのである。IPv6の場合はIPoEという方式でフレッツ網(NGN)からVNE(Virtual Network Enabler)事業者を通して直接インターネットと通信することができるので,速度低下が起こらない。しかし,接続先がIPv6対応していないと通信ができないので,IPv4も利用できるようにしなければならない。IPv6上でIPv4を利用するには,IPv4 over IPv6という方式を利用することになる。これは「トンネリング」という技術によって,IPv6上にIPv4のパケットを流す方式である。

ちょうど,InterlinkがIPv6接続サービス(ZOOT NATIVE)を2ヶ月の無料期間付で始めていたので,これに申し込むことにした。ZOOT NATIVEでは,IPv4 over IPv6については,DS-Liteという方式になる。DS-Liteでは,1つのグローバルIPv4アドレスを複数でシェアするシステムであり,ポートの開放ができないので,サーバを公開したり,外部から自宅のPCへ直接アクセスするような用途には向かない。ZOOT NATIVEに切り替えたら,コンスタントに80Mbpsほどの速度が出るようになった。自宅はマンションであり,光回線から各戸への配線が100Mbpsなので,十分な速度である。

しばらく使用してみた結果,基本的に問題はなかったが,唯一,接続できなかったのがYAMAHAが提供しているNETDUETTOというサービス。NETDUETTOはネット上で音楽セッションをするサービスなのだが,どうも,クライアント間を直接接続するようで,DS-Liteではそれができないようだ。

うーこれは困った。現在は,従来のPPPoEによる接続サービスと,IPoEのネイティブ方式の両方を契約している。無料期間が終わるまでにどうするか考える必要がある。

ドリップスケール

| 日常 |

在宅で仕事をしていて,唯一の息抜きと言えるのがハンドドリップのコーヒー。せっかくなので,バルミューダの電気ケトルを購入したのは良いけれど,ちょうど1杯分をドリップするためのお湯の量が毎回ばらつく問題は解決できませんでした。

なので,一旦お湯をハリオの計量カップで適量計って,それでドリップするという,せっかくかった電気ケトルが有効活用できていませんでした。

ところが,Youtubeにキッチンスケールを使ってコーヒを入れると良いとの動画を発見。目から鱗でした!これで,正確にお湯の分量が量れます。

しかも,この動画を見るとわかりますが,抽出時間も重要とのこと(当然ですね)。調べてみると,スケールとキッチンタイマーが一緒になった,ドリップ用のスケールがあるではないですか!

もう,コーヒを入れる際に,キッチンスケールが手放せなくなりました。お勧めですよ!

ROKUMEI COFFEE

| 日常 |

2019年度の研究室の修了生からいただいたROKUMEI COFFEEですが,感動的においしくて驚きました!これは是非とも皆さんにお勧めしなければ,と思いこの記事を書いています。

シーン別にロクメイブレンド(いつでも),ミカサブレンド(朝に),カスガブレンド(気分転換に),サルサワブレンド(夜に)の4種類が入っていて,どれも甲乙付けられないくらいおいしい。今回はどれを飲もうかな,と選ぶのも楽しい。

いままで,ブレンドが異なっても,その違いを強く感じることは無かったのですが,このコヒーは明らかに違います。新たな発見でした。

決して安くないのですが,価値ある逸品と思います。プレゼントにも是非。

システム制御理論入門

| 研究 |

この本は,美多先生が担当されていた講義「線形システム論(だったかな)」の教科書。美多先生曰く,かなり気合いを入れて書かれたとのこと。4年生になって美多研に配属され,輪講でかなりじっくり読んだ。内容は,現代制御。美多先生の教科書は,どれも独自の切り口があり,簡潔でわかりやすい。

この教科書は,特に第2章の「行列論」がお勧めである。制御で必要な行列論がコンパクトにまとめられている。この章の内容を理解していれば,そう困ることは無いだろう。

システム制御理論入門 (実教理工学全書)
小郷 寛(著), 美多 勉(著)
5つ星のうち4.0
¥2,750

前回紹介したコンデンサマイクは,出力端子がXLRタイプ(通称,キャノンタイプ)になっているので,AG03などのオーディオインタフェースが無いと使えない。マイクとオーディオインタフェースを合わせるとそれなりの値段になってしまう。また,オーディオインタフェースの分だけ場所もとる。

そこで,手軽さを優先するのであればUSB出力のマイクを選ぶのがよいだろう。このタイプはマイクの中にオーディオインタフェースが内蔵されているので,PCに直接接続して使える。このタイプの製品では,マランツのMPM-1000Uが定番だ。以前は6000円台で入手できたが,現在は,1万円くらいになっている。

MPM-1000Uに1万円払うのであれば,上位機種のMPM-2000Uが良いように思う。こちらは,AD変換器の性能が向上しており,周波数特性やSN比が向上している。

ただし,USBタイプでは,使用ソフトとの相性問題でノイズがのるといった報告もある。よく調べてから購入した方が良いかもしれない。

オンライン講義の準備でパワーポイントに音声を入れたりしているけれども,ノートPCのマイクやテレビ会議用のマイク&スピーカシステムの音質が今一つで気になっている。そこで,最近のマイク事情を調べてみた。

ちなみに,学生の頃バンドサークルに入ってて,PA(楽器の音をマイクで拾って,ミキサーで調整し,巨大スピーカで拡声するやつ)もやっていたので、マイクのことは少しだけ知っているつもりだけど,それは30年前の話。その当時は,ボーカルはSHUREのSM58,楽器系は同じくSHUREのSM57,ドラムにはゼンハイザーのMD421を使う,くらいわかっていればどうにかなった。むしろこれらのマイク,今でも現役で使われていることに驚いている。

SHUREのSM57とSM58は以下のように1万円くらいで手に入る。

一方,ゼンハイザーのMD421はそれなりの値段がするようだ。

SENNHEISER MD421-II
SENNHEISER MD421-II
posted with AmaQuick at 2020.05.05
SENNHEISER
5つ星のうち4.9
¥56,409

上記の定番マイクはどれも取り扱いが容易なダイナミックマイクなので,ライブなどでも気にせず使える。一方,レコーディングスタジオなどでは,より繊細な音が拾えるコンデンサーマイクも使われる。ただし,コンデンサーマイクは高価なものが多い。たとえば,ボーカルの収録の定番と言われている(いた?)ノイマンのU87Aiは30万近くする。また,ファンタ無電源と呼ばれる仕組みでマイクに電源を供給しなければならないので,ダイナミックマイクほど手軽ではない。

さて,ナレーションを録音することを前提に,コンデンサーマイクをいろいろと調べてみた結果,audio-technicaのAT2020が良さそうだ。価格も1万円程度と,とても手軽である。Youtubeのレビュー動画などでも,おすすめマイクとして紹介されているケースが多かった。

なお,この上位機種にはAT2035やAT2050がある。個人的には,AT2035が欲しいと思った。

audio-technica サイドアドレスマイクロフォン AT2035
Audio Technica(オーディオテクニカ)
5つ星のうち4.5
¥16,280

なお,AT2020やAT2035は直接PCに接続できない。ファンタム電源が供給できるオーディオインタフェースが必要だ。このオーディオインタフェースの定番はヤマハのAG03とのこと。執筆時点では,Amazonに在庫が無いようで,価格が大変なことになっているが,通常は,2万円以下で買えるようだ。

楽器を演奏する人は,フェーダーが2ch付いている上位機種のAG06が良いと思う。

ここで紹介した機材を購入してみたかったけれども,どれも即納では無いようだ。新型コロナの影響だろうか。

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