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ArduinoとMATLAB/Simulinkを接続して,実験をしながら制御系設計を勉強することを目指して本書を書いたのだが,早いもので8年が経過した。当時のMATLAB/SimulinkのバージョンであるR2012aからArduinoなどのボードを標準でサポートするようになったというのが執筆のきっかけであった。

現在,MATLAB/SimulinkのバージョンはR2020aなので,この本に基づいて実験を進める場合注意が必要。Amazonのレビューを見ると,新しいMATLABのバージョンでは動かない,との指摘が見られるが,私のサポートページに書いてある方法でArduinoIOをインストールすれば,最新のR2020aでも動作するはず。実際,2020年4月に研究室に配属された4年生(6名)に,この本をStay Homeで実験してもらっているが,全員問題無く動いているとのこと。さらに,その中の1名はMacを使っているが,Macでも問題無く動作しているようだ。

ただし,Macの場合は,シリアルポートの名称が,WindowsのようにCOM1などではなく「/dev/tty.usbmodem1234」のようになるので注意。Arduinoと接続されているシリアルポートの名称はArduinoIDEで調べられるはず。

さて,新しいMALTAB/Simulinkの場合のインストールの詳細は

「ArduinoとMATLABで制御系設計をはじめよう!」について

の中の「ArduinoIOのインストール方法(2019-01-13)」を参照して欲しい。こからリンクされているPDFファイルに詳細をまとめてある。ここにも置いておこう。

また,モータ制御マン(@motorcontrolman)さんの以下の記事もお勧め。

Matlab/SimulinkとArduino連携の隠しメニュー「Arduino IO」

なお,ArduinoIOのインストールしてもエラーが出て動かない場合の典型的な原因は,MALTAB/Simulinkに最初からインストールされているarduino.mとのバッティング。これを避けるためにArduinoIOのパスを先頭に持ってくることがポイント。なお,第8章はArduinoIOを使っていないため,MALTAB/Simulinkのバージョンに大きく依存することから,最近のバージョンでは本書の内容と大きく異なるのでご容赦願いたい。

ついでながら,書籍のファイルは出版社のページ

https://books.techshare.co.jp/index.php?msg=8

からダウンロードできるのだが,ここにも落とし穴が。本書籍の「ArduinoとMATLABで制御系設計モデルファイル」をクリックしてもユーザ登録をしていないと何も表示されない。まず,ユーザ登録し,ログインした状態でこのリンクをクリックする必要がある。注意する点としては,最近のMATLAB/Simulinkのバージョンでは,以前とScopeの仕様が変わってしまったので,多少の修正が必要だろう。早く改訂版をださねば,と思う今日この頃である。

システム制御理論入門

| 研究 |

この本は,美多先生が担当されていた講義「線形システム論(だったかな)」の教科書。美多先生曰く,かなり気合いを入れて書かれたとのこと。4年生になって美多研に配属され,輪講でかなりじっくり読んだ。内容は,現代制御。美多先生の教科書は,どれも独自の切り口があり,簡潔でわかりやすい。

この教科書は,特に第2章の「行列論」がお勧めである。制御で必要な行列論がコンパクトにまとめられている。この章の内容を理解していれば,そう困ることは無いだろう。

システム制御理論入門 (実教理工学全書)
小郷 寛(著), 美多 勉(著)
5つ星のうち4.0
¥2,750

平田研究室では,飛行体制御の研究を行っている。以前,飛行機をヘリコプタのようにホバリングさせる研究を紹介した。

今年の3月に卒業した学生は,手のひらサイズの小型ラジコンヘリコプタの制御に挑戦してくれた。機体が小さくなると,それに合わせたモデリングが必要となる。そこが,研究のポイントとなった。その結果,かなり強い外乱に対しても安定して飛行を続けることができるようになった。

以下のホバリングの動画をご覧いただきたい。途中で,機体を手で投げているが,またもとのホバリング状態へ速やかに戻っている。

機体の調整を丁寧に行うと,制御がほとんど効いてない状況でもホバリングが行える。しかし,そのようなケースでは,外乱を加えると機体がどこかへいってしまう。強い外乱にどこまで耐えられるか,が制御がうまくいっているかどうかの判断材料となる。フィードバック制御器がきちんと設計されていれば,次の動画にあるように,軌道追従制御も簡単にできる。

なお,このような飛行が実現できたのも,修論として本研究を遂行してくれた大学院生(鈴木君)のがんばりによるところが大きい。

 

 

平田研究室では,飛行体制御の研究を行っている。この3月に修了した修士2年の学生が飛行機(固定翼機)のホバリングを実現させてくれた。このような飛行を Prop-Hanging Flightと呼ぶ。Prop-Hanging Flightはアクロバット飛行の一種で,熟練者でないとなかなか難しい。それを,制御理論で実現した。

まずは,ホバリングの実現,外乱抑圧テスト(結構強い外乱にも耐える),位置制御のビデオをご覧いただきたい。

その後,オイラー角ではなく,クオータニオンを用いることで,姿勢角に制約されない自由度の高い制御を実現した。次のビデオは,ホバリング,方位角制御,円軌道制御,離着陸制御の様子をまとめたものである。

固定翼機が,ヘリコプターとどうようにホバリングが可能になると,滑走路が不要となるので,長距離を高速に高効率で(低燃費で)移動できるというメリットがよりいっそう生かせるようになる。

MS-Wordで論文作成

| Lifehack, 研究 |

論文作成といったらLaTeXがメインだが,何らかの事情でMS-Wordを使わなければならない場面がたまにある。そのたびごとに,思い通りに論文が作成できず,困っていた。書店に行くと,初心者向けの解説書はたくさんあるが,数ページ程度のドキュメントならば問題ないので,参考になるものはあまり無い。そんな中,下記の本を見つけた。

西上原裕明 著
Wordで作る長文ドキュメント
~論文・仕様書・マニュアル作成をもっと効率的に
技術評論社

長文作成で欠かせない,スタイルの設定・カスタマイズ,目次作成や相互参照などが詳しく解説されている。また,MS-Wordのバージョンの違いによる動作の違いや癖など,ノウハウ的な解説もある。数式に関する解説が無いのが残念だが,本書で,多くの疑問が解決した。著者によれば,段落スタイルを使いこなすのがポイントとのこと。私のように,普段はLaTeX使いだが,章・節・項を持ち,相互参照も必要となるそれなりの長文をWordで作らざるを得ない場面がたまにやってくる方におすすめしたい。

ソニーがマーカーレスARを発表した.これはすごい.AR,つまり拡張現実感は,カメラなどで撮影した自然画像に,仮想物体を合わせ込む技術であるが,通常はそのために,専用のマーカを必要とするものが多い.ソニーによれば,今回開発したマーカーレスAR技術の特徴は以下とのこと.

 ソニーは、スマートフォン等のカメラで撮影した際、画面に通常の視覚では知ることができない情報や仮想的な物体などの付加情報を表示させることができる「拡張現実感(以下、「AR」) 技術」において、2次元バーコード等のマーカーを必要とせず(マーカーレス方式)、物体自体を高速認識し、カメラの動きに付加情報を高速追従させ、現実の3D空間上に広がりをもって表示できる、統合型AR技術“SmartAR(スマートAR)”を開発しました。

AR技術は,実画像に仮想物体に合わせ込むため,内部では,3Dの位置検出を行っている.通常の画像認識では,認識速度が遅かったり,遅れ時間が長かったりするものも多いが,ARでは,リアルタイムに合わせ込みを行わなければならないため,遅れ時間が短く,フレームレートも30fpsで動作するものが多い.したがって,その部分だけ利用すれば,フィードバック制御のための位置検出センサとして利用できるのだ.我々も,ARToolkitを使って,ラジコンヘリコプタの姿勢制御をずいぶん昔から行ってきた.今後も,この技術に注目していきたい.

QPToolkitよさそう

| 研究 |

久しぶりに工学ナビを訪れたら,ProcessingでAR.Droneをコントロールするためのライブラリが公開されていました。ちょっと試してみたところ,確かに,動きます。これは,簡単で便利!

NyAR4psgを使えば,ProcessingからARToolkitが使えますので,AR.Droneの画像を使ってARマーカを認識させながら,自律飛行させる,と行ったことが可能です。

なお,平田研では,だいぶ昔からARToolkitを位置検出ツールとして使用し,ラジコンヘリコプタの自律制御などを実現してきました。このようなツールの公開はとてもありがたいです。

Microsoft DreamSpark

| 研究 |

これには驚いた。日本企業でHDD事業を行っているのは東芝だけになってしまう。この先,とても心配。

http://www.asahi.com/business/update/0307/TKY201103070516.html
日立製作所は7日、世界3位のハードディスク駆動装置(HDD)事業を、世界首位の米ウエスタン・デジタル(WD)に売却すると発表した。売却額は約43億ドル(約3500億円)。

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