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AKAIのカセットデッキGX-73が動かなくなってしまったので,ウォークマンで再生しようと思ったら,こちらも動かず。発売が1993年なので,27年前ということで仕方ない。この当時のヒット曲はZARDの「負けないで」とのこと。

とりあえず,裏蓋を開けてみると,ベルトがベトベトになって切れてました。AKAIのカセットデッキで使われているゴムベルトは若干伸びているものの,原型をとどめていますが,ウオークマンのベルトは,かなりひどい状況でした。材質が異なるのでしょう。

さて,ベトベトになったベルトの残骸を丁寧に取り除き,アルコールでクリーニングしたあと,適合するベルトを調べると,純正部品は直径61mmで0.6mm径らしき書き込みを2chで発見。実測とも整合するので,多分これで正しいのでしょう。当然,純正部品は入手できないので,近いものをAmazonで探すと,直径63mmで0.5mm径のものが見つかったので,早速注文。

ゴムベルトと言えば,千石電商が定番ですが,1mm径のものが多い印象です。太いとキャプスタンプーリーの溝に入らず,回転半径が変わってしまうため,回転数が安定しません。長さだけでなく,太さも近いものを選ぶ必要があります。この細いゴムベルトはなかなか見つからないので助かりました。

予定より早く本日届いたので早速作業開始。このようなビニールの袋に入って届きました。

早速交換しますが,いくつか注意点があります。まずは,ゴムを金具の下に通さなければならないこと。若干,金具を持ち上げてその下を通すのですが,あまり,持ち上げすぎると基板の半田を剥離してしまう可能性があります。無事,ベルトを通し終えたのが下記の写真。

蓋を閉じる前に,外付けの電池ボックスを接続して動作確認しました。蓋を閉じる際は,いくつかのスライドスイッチのかみ合わせに注意する必要があります。また,ネジの長さも2種類あるので,気をつけましょう。

さっそく,適当にカセットテープを選んで聞いてみました。昭和58年って書いてあったので,自分が中学生の時に作ったテープなのでしょう。H2Oの「思い出がいっぱい」,STYXの「MR. ROBOTO」,山下達郎の「高気圧ガール」とか,なつかし過ぎる。しかし,このポリシーの無い選曲はなんとも。

なお,本記事を参考に,ご自身でウオークマンの修理を行った結果,損害等を被っても,筆者はいかなる補償もできませんので,自己責任でお願いします。

古いカセットテープに録音した音源をパソコンに取り込もうと久しぶりにAKAIのカセットデッキGX-73を立ち上げたら,テープがロードされない。これまで,ベルトのクリーニング程度のメンテナンスでなんとかここまで来たが,ついに,ダメになってしまったようだ。さすがに,1987年に購入して30年以上経っているのだから仕方ないか。仕方ないと,比較的新しいCD+MD付ラジカセで再生しようと思ったら,なんと,こちらも壊れている。そうなると,修理欲がわいてくる。

AKAIやA&Dのテープデッキは,今でも根強い人気があって,修理の情報はネットを調べると結構出てくる。故障原因の主なものはゴム部品の劣化と,古いグリスの固着である。修理業者に頼むのが手っ取り早いが,もと電気少年ということで,徹底的にオーバーホールしてみることにした。

まず,メカ部分の取り出し。メカは以下の写真の4箇所(上2箇所と下2箇所)のビスで本体に固定されている。

ケーブルは,幸いすべてコネクターになっているので,慎重に引き抜く。ツメで引っかかっているので,精密ドライバーをすき間に入れて,ツメの引っかかりをはずしてあげると,比較的簡単に抜ける。まず,モータ駆動系の基板にあるコネクタを外す。以下の写真の赤丸部分がそうだ。次に,緑で示したフラットケーブルを外し(プラスチック部分を上に持ち上げると簡単に抜ける),基板上のビス2箇所を外すと,下の基板にアクセスできる。

下の基板はアナログ回路のようだ。磁気ヘッドからのケーブルが接続されている。以下の写真の赤丸部分を外す。

ケーブルを束ねている結束バンドを外すと,メカ部分が手前に引き抜けるはずだ。そうして出てきたのが以下の写真。後ろ部分を撮影している。

キャプスタンベルトとメカ駆動ベルトが見える。ネットで調べたところ,いろいろな情報があったが,どうも,キャプスタンベルトは5mm幅で,直径73mm,メカ駆動ベルトは,太さが1.6mmで直径が42mmとのこと。実測しても妥当なところだった。キャプスタンベルトはまだ使えそうだ。一方,メカ駆動ベルトは空転する。Amazonでサイズが近いものを探し,1.5mm,直径40mmのベルトを注文してみた。

次に,メカのフロント側。赤で囲ったアイドラーのゴムも劣化している。これが劣化していると,早送り,巻き戻し,再生時の巻き取りがうまくいかない。また,左側のピンチローラの軸が,グリスの固着でほとんど動かなくなっていたので,分解清掃した。ヘッドマウンタについても,分解して古いグリスを落とした。なお,上下にスムーズに動作するように,ベアリングのボールが使われているので,無くさないように注意が必要だ。

アイドラーの復活方法の定番は表面をヤスリで擦ることなのだが,せっかくなので新しいものに交換することにした。ノギスで実測すると,外径が16.5mm,内径が11.5mm,幅が2.44mmだった。これに近いものを探して,以下を発注した。幅が若干太いのが気になるが,ゴムなのでなんとかなることを願いたい。(後日談:現物を合わせたら若干厚くてはまらなかったため,yahooショップのTECHSPACEより,内径12mm,厚さ2mm,幅2mmのアイドラー用ゴムリングを買い直すはめに・・・)

この際だから,ピンチローラも交換することにした。サイズを測ると,左側のピンチローラは,直径が11mm,幅7.9mm,軸径2mmだった。そこで,これに近い以下のものを発注した。

右側のピンチローラは少し大きく,直径が13mmだった。幅は同じく7.9mm,軸径2mmだった。そこで,以下のものを発注した。

さて,この続きは部品が届いてから。部品代で2000円ちょっとだった。無事,部品が合うかどうかは現物合わせしてみないとわからない。仮に,正常動作しなくても,元が取れるほど楽しんだが,でもせっかくなら,復活して欲しい。

なお,本記事を参考に,ご自身でカセットデッキの修理を行った結果,損害等を被っても,筆者はいかなる補償もできませんので,自己責任でお願いします。

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