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私が担当している「新入生セミナー」という1年生向けの授業では,毎年,自己紹介タイムを設けている。しかしながら,今年は対面での自己紹介ができないので,Zoomによる自己紹介タイムを設けることにした。そこで使用したのが,Zoomの「ブレークアウトセッション」の機能。これについて簡単に紹介したい。

まず,設定でブレークアウトセッションをONにしておく必要がある。そうすると,メインウインドウの下に「ブレークアウトセッション」というボタンが現れる。

このボタンをクリックすると,セッションの割り当て画面が表示される。

ここで,セッション数を選んで「セッションの作成」をクリックする。なお,セッション数を変えると,セッションあたりの参加者数も変化するので,こらを見ながらセッション数を決めると良い。また,Tipsとして,学生が遅れて参加したことを考えて,セッション数は少し多めに作っておくと良い。ブレークアウトセッションを開始してしまうと,後からセッションの追加はできないようだ(2020-05-10現在)。セッションを作成すると,次の画面が表示される。

参加者は,ランダムに割り当てられるようだ。事前に割り当てておくこともできるが,事前割当については,あとで説明する。セッションルームの名称を変えたり削除する場合は,ルーム名の上にマウスポインタを合わせると良い。

また,メンバーの移動や交換(赤枠参照),セッションルームの追加(下のボタン)もこの画面からできる。

「すべてのセッションの開始」をクリックする前に,まだやることがある。それは,オプションの確認だ。時間を決めてブレークアウトセッションを実施する場合は,時間設定をすると良い。私は以下のように全てのオプションにチェックを入れている。

あとは,「すべてのセッションを開始」をクリックするとブレークアウトセッションが始まる。ブレークアウトセッションが始まると,ホスト役は一人だけ取り残される。これが結構さみしい。ブレークアウトセション中は,「全員宛のメッセージを送信」ボタンからメッセージが送れる。

時間が来ると,先ほど設定した「カウントダウンタイマー」の秒数の猶予が与えられた上で,ブレークアウトセッションが終了する。

授業などでは,ブレークアウトルームの割り当てをあらかじめ決めておきたい時がある。そのような場合は,ミーティングをスケジューリングする際に,事前割当が可能である。ミーティングをスケジューリングする画面で,「ブレークアウトルーム事前割り当て」をチェックする。そうすると,CSVファイルからのインポートなどが可能になる。ただし,事前割当を行う場合は,参加者のZoomのアカウントが必要になるので注意が必要。

なお,このオプションが現れない場合は,Zoomの設定で「スケジューリング時にホストが参加者をブレークアウトルームに割り当てる事を許可する」がチェックされていない可能性がある。

ブレークアウトルームはZoomの無料アカウントでも利用できる。実際にこの機能を使って学生に自己紹介をやってもらったが,評判は良いようだ。是非,お試し頂きたい。

ArduinoとMATLAB/Simulinkを接続して,実験をしながら制御系設計を勉強することを目指して本書を書いたのだが,早いもので8年が経過した。当時のMATLAB/SimulinkのバージョンであるR2012aからArduinoなどのボードを標準でサポートするようになったというのが執筆のきっかけであった。

現在,MATLAB/SimulinkのバージョンはR2020aなので,この本に基づいて実験を進める場合注意が必要。Amazonのレビューを見ると,新しいMATLABのバージョンでは動かない,との指摘が見られるが,私のサポートページに書いてある方法でArduinoIOをインストールすれば,最新のR2020aでも動作するはず。実際,2020年4月に研究室に配属された4年生(6名)に,この本をStay Homeで実験してもらっているが,全員問題無く動いているとのこと。さらに,その中の1名はMacを使っているが,Macでも問題無く動作しているようだ。

ただし,Macの場合は,シリアルポートの名称が,WindowsのようにCOM1などではなく「/dev/tty.usbmodem1234」のようになるので注意。Arduinoと接続されているシリアルポートの名称はArduinoIDEで調べられるはず。

さて,新しいMALTAB/Simulinkの場合のインストールの詳細は

「ArduinoとMATLABで制御系設計をはじめよう!」について

の中の「ArduinoIOのインストール方法(2019-01-13)」を参照して欲しい。こからリンクされているPDFファイルに詳細をまとめてある。ここにも置いておこう。

また,モータ制御マン(@motorcontrolman)さんの以下の記事もお勧め。

Matlab/SimulinkとArduino連携の隠しメニュー「Arduino IO」

なお,ArduinoIOのインストールしてもエラーが出て動かない場合の典型的な原因は,MALTAB/Simulinkに最初からインストールされているarduino.mとのバッティング。これを避けるためにArduinoIOのパスを先頭に持ってくることがポイント。なお,第8章はArduinoIOを使っていないため,MALTAB/Simulinkのバージョンに大きく依存することから,最近のバージョンでは本書の内容と大きく異なるのでご容赦願いたい。

ついでながら,書籍のファイルは出版社のページ

https://books.techshare.co.jp/index.php?msg=8

からダウンロードできるのだが,ここにも落とし穴が。本書籍の「ArduinoとMATLABで制御系設計モデルファイル」をクリックしてもユーザ登録をしていないと何も表示されない。まず,ユーザ登録し,ログインした状態でこのリンクをクリックする必要がある。注意する点としては,最近のMATLAB/Simulinkのバージョンでは,以前とScopeの仕様が変わってしまったので,多少の修正が必要だろう。早く改訂版をださねば,と思う今日この頃である。

自宅の光回線のIPv6化

| 日常 |

自宅では,NTT東日本のフレッツ光をPPPoEを使ってIPv4で接続するという典型的な接続方法によって利用していた。PPPoE方式では,パケットがプロバイダに設置されたネットワーク終端装置(NTE)を通るため,アクセスが集中するとどうしても回線速度が落ちてしまう。当初,so-netを利用していたが,夜間だと1Mbpsを切るような状況に陥っていた。

フレッツでは,光回線とプロバイダは別契約なので,プロバイダだけ乗り換えることができる。Interlinkでは,PPPoE接続に必要なIDとパスワードをWebから即時発行してくれて,2ヶ月の無料期間もあったので,試して見ることにした。当時は,まだInternlinkがそんなに知られていなかったせいか,それなりの速度が出ることがわかったので,乗り換えることにした。これが,2018年の6月のことである。

ところが,最近,Interlinkの回線も遅くなってしまった。さすがに1Mbpsを切ることは無いが,数Mbpsになることが増えてしまった。そこで,IPv6への乗り換えを検討したのである。IPv6の場合はIPoEという方式でフレッツ網(NGN)からVNE(Virtual Network Enabler)事業者を通して直接インターネットと通信することができるので,速度低下が起こらない。しかし,接続先がIPv6対応していないと通信ができないので,IPv4も利用できるようにしなければならない。IPv6上でIPv4を利用するには,IPv4 over IPv6という方式を利用することになる。これは「トンネリング」という技術によって,IPv6上にIPv4のパケットを流す方式である。

ちょうど,InterlinkがIPv6接続サービス(ZOOT NATIVE)を2ヶ月の無料期間付で始めていたので,これに申し込むことにした。ZOOT NATIVEでは,IPv4 over IPv6については,DS-Liteという方式になる。DS-Liteでは,1つのグローバルIPv4アドレスを複数でシェアするシステムであり,ポートの開放ができないので,サーバを公開したり,外部から自宅のPCへ直接アクセスするような用途には向かない。ZOOT NATIVEに切り替えたら,コンスタントに80Mbpsほどの速度が出るようになった。自宅はマンションであり,光回線から各戸への配線が100Mbpsなので,十分な速度である。

しばらく使用してみた結果,基本的に問題はなかったが,唯一,接続できなかったのがYAMAHAが提供しているNETDUETTOというサービス。NETDUETTOはネット上で音楽セッションをするサービスなのだが,どうも,クライアント間を直接接続するようで,DS-Liteではそれができないようだ。

うーこれは困った。現在は,従来のPPPoEによる接続サービスと,IPoEのネイティブ方式の両方を契約している。無料期間が終わるまでにどうするか考える必要がある。

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