マイコプラズマ肺炎に罹患したことを機会に,調べたことを忘備録としてまとめておく。

マイコプラズマは,ここ数年で,定番と言われたクラリスなどのマクロライド系の抗生物質が効かない耐性株が急激に増えているとのこと。現状90%が耐性株という話もある。それでも,現状治療のガイドラインではマクロライド系が第一選択薬になっているので,最初はクラリスが投与される場合が多い。そして,クラリスを投与して48時間経過しても改善が見られない場合,ジェニナックなどのニューキロノン系かミノマイシンなどのテトラサイクリン系の抗生物質に切り替えることになる。なお,原理的に,テトラサイクリン系は耐性にはならないらしい。

しかし,子供への投薬は選択肢が限られてくる。ニューキロノン系は基本的に子供には使えず,ミノマイシンを乳幼児に使うと歯が黄色くなるという問題があるからとのこと。我が家がお世話になっている小児科専門医は,8才以上ならばミノマイシン,それ以下ならばごく最近出たオゼックス小児用を使うとのこと。

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平田研究室では,飛行体制御の研究を行っている。この3月に修了した修士2年の学生が飛行機(固定翼機)のホバリングを実現させてくれた。このような飛行を Prop-Hanging Flightと呼ぶ。Prop-Hanging Flightはアクロバット飛行の一種で,熟練者でないとなかなか難しい。それを,制御理論で実現した。

まずは,ホバリングの実現,外乱抑圧テスト(結構強い外乱にも耐える),位置制御のビデオをご覧いただきたい。

その後,オイラー角ではなく,クオータニオンを用いることで,姿勢角に制約されない自由度の高い制御を実現した。次のビデオは,ホバリング,方位角制御,円軌道制御,離着陸制御の様子をまとめたものである。

固定翼機が,ヘリコプターとどうようにホバリングが可能になると,滑走路が不要となるので,長距離を高速に高効率で(低燃費で)移動できるというメリットがよりいっそう生かせるようになる。

あまりに早い死でした。言葉もありません。ご冥福をお祈り申し上げます。

MS-Wordで論文作成

| Lifehack, 研究 |

論文作成といったらLaTeXがメインだが,何らかの事情でMS-Wordを使わなければならない場面がたまにある。そのたびごとに,思い通りに論文が作成できず,困っていた。書店に行くと,初心者向けの解説書はたくさんあるが,数ページ程度のドキュメントならば問題ないので,参考になるものはあまり無い。そんな中,下記の本を見つけた。

西上原裕明 著
Wordで作る長文ドキュメント
~論文・仕様書・マニュアル作成をもっと効率的に
技術評論社

長文作成で欠かせない,スタイルの設定・カスタマイズ,目次作成や相互参照などが詳しく解説されている。また,MS-Wordのバージョンの違いによる動作の違いや癖など,ノウハウ的な解説もある。数式に関する解説が無いのが残念だが,本書で,多くの疑問が解決した。著者によれば,段落スタイルを使いこなすのがポイントとのこと。私のように,普段はLaTeX使いだが,章・節・項を持ち,相互参照も必要となるそれなりの長文をWordで作らざるを得ない場面がたまにやってくる方におすすめしたい。

便利さとセキュリティーの間には常にトレードオフが避けられない。クラウドは確かに便利だけれども,大切なデータを雲の彼方に預けるのだから,少なからず危険が伴う。クラウドは情報の銀行にたとえられることがあるが,銀行では1000万円までの政府補償があるのに対し,クラウドでは情報が流失しても何の補償も無い。自分自身の問題で済めばまだ良いが,そこに会社の機密データや他人の個人情報などが含まれていた場合,社会的な信用を大きく損なう可能性がある。

クラウドのセキュリティーについて,考えさせられる出来事が最近起きた。ファイル同期サービスで有名なDropboxにおいて,システム改変のバグによって4時間の間,パスワードがでたらめでもログインできる状態になっていたのだ。もちろん,ユーザIDを知らなければログインできないので,即流出というわけではないが,かなり危険な状態にあったことは確かである。Dropboxにとって相当致命的な出来事であろう。

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クラウドって

| Lifehack, 日常 |

最近「クラウド」というキーワードを良く目にするようになった。正式には,クラウドコンピューティングといい,ユーザがコンピュータ処理をネットワーク経由でサービスとして利用する形態を指す。

一見,新しい概念のようだが,このような利用形態は昔からあった。計算機センターの大型計算機や研究室のUNIXマシンに,電話回線やインターネット経由でリモートログインして使用していたが,これも,一種のクラウドと言えよう。ただし,昔と今で決定的に違うのは,今はサーバの存在をほとんど意識せずに利用できる点だ。まさに,サーバは雲の向こうにあって見えない。

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VIC1001

| 日常 |

本日で2年生向け講義「計算機工学」が無事終了した。そこで,私のコンピュータとの出会いを少し書いてみたい。

定価69,800円で発売されたコモドールジャパンのVIC1001は,私が初めて手にしたマイコンだ。中学1年の冬だった。当時は,NECのPC9801(定価168,000円)がはやっていて,本当はこちらが欲しかったが,中学生にはとても手が出なかったのだ。VIC1001でも,中学生にとっては決して安くなく,親に頼み込んで買ってもらったのを覚えている。

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せっかく,iOS Developer登録しているので,プライベートで使用しているiPadにiOS5 betaをインストールしてみた。

最初,Activationできずに困ったが,Developer CenterでインストールするiPadのDevice IDを登録し忘れていたのが原因と気づき,事なきを得た。使ってみると,Safariのタブが便利,などあるが,個人的にうれしいのは,日本語キーボードで半角英数とローマ字入力が切り替えられるようになっていた点。今までのように,英語キーボードと日本語キーボードを切り替える必要がなく,快適。 

iOS5 betaをiPad2で動作させたときの様子。秋の正式版公開が楽しみ。

http://www.youtube.com/watch?v=5PE7chocunk

 

アップルがクパティーノに新しいキャンパスを計画しているとのこと。スティーブジョブス自らが市議会でプレゼンをしたそうです。東京ドーム13個分にも匹敵する敷地に,巨大な建物が一つだけ,というなんともアップルらしい計画。こんなところで働いてみたいですね。

Late last year it was revealed that Apple purchased a 98-acre campus from Hewlett Packard, just up I-280 in Cupertino. Last night, Apple CEO Steve Jobs, in trademark black turtleneck and jeans, explained Apple’s plans for the space to the Cupertino City Council. Here’s what the new 4-story building holding 12,000 employees will look like when it’s completed in 2015:

スティーブジョブスのプレゼンの様子はこちら。

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